TOEFLスピーキングの出題形式と対策について

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「TOEFLのスピーキングテストが難しい」という声をよく聞きます。

実際、TOEFLのなかでもっとも難しいセクションのひとつとしてあげられるのが、スピーキングセクションです。準備時間がほとんどない中で、すぐに文章を構成して発話する必要があるため、普段から戦略的に準備し、練習を重ねることが重要といえます。

この記事では、TOEFLの概要やスピーキングセクションの問題例、対策方法などを紹介していきます。

TOEFLとは?

TOEFLとはアメリカのETSが開発したテストで、英語圏の大学や大学院で学ぶ英語力があるかどうかを測定します。すべてコンピューター上で解答する形式で、英語4技能の能力測定が可能です。

所要時間は約3時間で、そのうちスピーキングテストは17分です。ヘッドセットとマイクを利用し、パソコンに解答を録音します。

スコアは各セクション30点満点で、合計120点満点です。採点項目が4つあり、それぞれ0〜4点の5段階評価でスコアが決定します。

もっと詳しくTOEFLについて知りたい場合は、こちらから公式動画(日本語字幕あり)をチェックしてみてください。

TOEFLの概要

それでは、TOEFLのテスト概要を見ていきましょう。

下記をご覧ください。

受験資格特になし
料金通常申し込み:245ドル、申込締切以降:285ドル
受験日2022年は月3~5回(土日いずれかの実施)詳細はこちらから
受験時間約3時間(スピーキングテストは17分)
結果返却約6日後に確認可能、公式スコアレポートは4~6週間後に発送※Reading, Listeningセクションのみ、テスト終了時にスコア(非公式)が表示される
使用可能デバイスパソコン
出題内容英語圏の大学・大学院で必要なアカデミック英語
採点方法・AI採点(リーディングとリスニングセクション)・AI採点と試験官による採点(ライティングとスピーキングセクション)
評価方法各セクションのスコアを0〜30で評価、総合スコアは0〜120

上記を見て頂くと分かるように、TOEFLは試験時間が約3時間と長いテストです。スピーキングテストはそのうち17分ですが、リーディングとリスニングの試験を75~129分間休みなしで受けたあとに行われるため、集中力を切らさずに臨むことが重要になります。

TOEFLスピーキングテストの問題構成

TOEFLのスピーキングテストは、17分間で4つの設問に解答します。

内容問題数解答時間
Independent task身近なトピックについて意見を述べる1問準備15秒解答45秒
Integrated task読んだ内容を要約して話す2問準備30秒解答60秒
Integrated task聞いた内容を要約して話す1問準備20秒解答60秒

Independent taskはほかのスピーキングテストでも一般的な形式です。しかしTOEFLスピーキングテストでは、教授によるレクチャーを聞いて話したり、専門分野に関する英文を読んでから話したりといったIntegrated taskの割合が4問中3問と高い特徴があります。

TOEFLスピーキングテストの問題例

Independent task、Integrated taskでは、それぞれどのような問題が出題されるか、以下で解説していきます。

Independent task

Question1では、ひとつの出来事や事象に対して2つの相反する考えが提示され、「賛成か反対か」「どちらが好みか」について自分の意見とその理由を解答します。

サンプル問題では、以下の問題が取り上げられていました。

Some people enjoy taking risks and trying new things. Others are not adventurous; they are cautious and prefer to avoid danger. Which behavior do you think is better? Explain Why?

Question1では準備時間が15秒しかないので、考えている時間はほとんどありません。そのため、こう答えるといった解答テンプレートを作成し、そこに文章を当てはめていく方法をお勧めします。

たとえば、賛成か反対かを聞く問題であれば、必ず”I agree / I disagree”から始める。どちらが好みかを聞く問題であれば、必ず” I prefer”から始めるなどです。意見を主張したあとにはBecauseで文章をつなぎ、なぜそう思うのかを述べます。そして、For exampleと続け、具体例を提示する形をとるとよいでしょう。

Integrated task

Question2~3では、大学や講義に関する文章を読んだあと、その文章に関する会話を聞いて質問に答えます。

Question2のサンプル問題では、履修する学生が少なくなったため彫刻のクラスがなくなるという英文を読んだのち、男子学生とその決定に反対する女子学生の会話を聞き取りました。

そして質問では、女子学生の意見とその理由について述べます。

The woman expresses her opinion of the university’s plan. State her opinion and explain the reasons she gives for holding that opinion.

Question2でも解答テンプレートを用意しておくと、準備時間の30秒間で慌てることもなくなります。男性か女性のどちらかが、賛成もしくは反対の意見を持っていることを表現したい場合には、”The man/woman agrees/disagrees with…”で始めましょう。そして、なぜ賛成もしくは反対なのか理由を述べます。このとき、理由は2つ述べるようにしてください。

Question3では、生物学のテキストの一部を読んだあと、講義を聞いて以下の質問に答えるよう求められました。

Using the examples of the peanut bug and the morpho butterfly, explain the concept of

revealing coloration. 

Question3は、大学の講義に関連する内容を読んで話すことが多いですが、様々な分野から出題されます。このサンプル問題でいえば、「revealing colorationとは何のことだろう?」と立ち止まってしまうと、解答が難しくなるでしょう。

そのため自分が希望しない専攻分野であっても、大学1年生の基礎科目で履修する程度のボキャブラリーはTOEFLの英単語集などを使って身につけておいてください。

Question4のサンプル問題では、ビジネスの講義を聞いて以下の質問に答えるよう求められました。

Using the points and examples from the lecture, explain the two pricing strategies

described by the professor.

リスニング内容を聞き取れないとスピーキングにつなげられないため、講義を聞きながら、重要な部分についてはメモを取っていきましょう。

全体を通して、TOEFLのスピーキングでは話すテンポが悪かったり、言いよどんでしまい無言の時間が長くなったりすると減点対象になります。そのため、少しゆっくり目でも構わないので、途中で止まることなく、同じペースで話し続けることを意識しましょう。

もっと詳しく出題内容や対策方法について知りたい場合は、こちらの公式動画をチェックしてみてください。Q1~Q4までサンプル問題をもとに詳しく説明されています。

結果はどのように表示されるのか?

TOEFLの結果は、以下のようなレポート形式で表示されます。

各セクションのスコアおよび合計スコアに加え、過去2年以内に受験したテストがある場合は、そのなかから最高点数をピックアップしたMy Best Scoresが表示されるのも特徴です。

(引用:TOEFLテスト日本事務局)

スピーキングセクションの採点項目は以下の4つあり、それぞれにつき0〜4点の5段階でスコアが出されます。

・General Description(適切で十分な解答ができているか)

・Delivery(発音やイントネーションが正確か、途切れずに流暢に話せているか)

・Language Use(ミスなく単語や文法が使えているか)

・Topic Development(話の展開が論理的か)

詳しい採点基準について知りたい場合は、ETSが公表している資料をご覧ください。

まとめ

この記事では、英語圏の大学や大学院で学べる英語力があるかを測定するTOEFLについてご紹介してきました。

スピーキングテストは、大学のキャンパス内で起こる出来事や講義を読んだり聞いたりしたあとに、質問に対して適切な解答を行います。話す力はもちろん、読む力と聞く力も求められる総合的なテストです。ある程度の出題パターンは決まっているため、解答テンプレートを作成し、練習を重ねることでスコアアップを達成していきましょう。

この記事が、TOEFLスピーキングテストに興味のある方にとってお役に立てたら幸いです。

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