「英検2級に合格したいけれど、スピーキングが苦手だな」
「一次試験には合格したけれど、二次試験のスピーキング対策ってどうしたらいいんだろう?」と思ったことはありませんか?
英検2級の二次試験では面接形式のスピーキングテストが行われますが、問題の傾向をつかみ、適切な対策を取ることで合格の可能性が高まります。
この記事では、英検2級のスピーキングテストの概要や問題例、対策についてお伝えしていきます。
英検2級のスピーキングテストとは?
英検2級の二次試験は、一次試験合格者に対して行われます。二次試験は、面接形式で試験官と1対1で行われるスピーキングテストです。
準2級は高校生中級レベル程度だったのに対し、2級では高校卒業程度のレベルとなり、社会性のある話題について英語でやり取りをします。
試験時間は約7分間。問題カードを音読したり、英文についての質問に答えたり、3コマのイラストを英語で描写したり、自分自身の意見を回答したりとさまざまな設問に英語で対応していきます。
また、回答内容だけではなくアティチュードも評価されるため、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢や、自然な受け答えをすることも大切です。
英検2級 スピーキングテストの概要
それでは、英検2級のスピーキングテスト概要を見ていきましょう。
下の一覧表をご覧ください。
受験資格 | 英検2級の一次試験合格者 |
料金 | 個人受験:8400円、団体受験:6000円~8000円(一次試験受験前に支払いを行う) |
受験日 | 2022年度は7月、11月、2月もしくは3月※一次試験のWeb合格発表日から2~4週間後に実施 |
受験時間 | 約7分間 |
結果返却 | 試験9日後にWebで合否公開、成績表返却は試験16日後 |
試験方法 | 試験官と1対1の面接形式 |
出題内容 | 音読、問題についての質問に回答、イラストについての内容描写、自分自身の意見を回答 |
採点方法 | 面接官が採点(33点満点の内訳:音読5点、質問(No.1~No.5)各5点、アティチュード3点) |
評価方法 | 素点をCSEスコアに変換し、650点満点で評価※460点以上で合格 |
上記を見て頂くと分かるように、英検2級のスピーキングテストは内容理解など英語そのものだけではなく、積極的に自然なコミュニケーションが取れるかなどのアティチュードについても問われます。
また、評価は技能バランスを重要視したCSEスコアで行われるため、受験者自身での合否判断は難しくなっています。
英検2級 スピーキングテストの問題構成
それでは、英検2級スピーキングテストの出題形式や構成について説明していきます。
形式 | 詳細 | 問題数 |
音読 | パッセージを読む(60語程度) | 1問 |
パッセージについての質問 | 音読したパッセージについての質問に答える | 1問 |
イラストについての質問 | 3コマのイラストの展開を説明する | 1問 |
受験者自身の意見など | カードのトピックに関連した内容について自分の意見を述べる | 1問 |
受験者自身の意見など | 日常生活の事柄について自分の意見を述べる(カードのトピックに関連しない内容も含む) | 1問 |
ちなみに、試験が始まるまでの流れは以下のようになります。
- 荷物をもって入室し、Helloと挨拶をする
- Please have a seat.と言われてから着席する
- Can I have your card, please?と言われたら面接カードを手渡す
- 面接官に自己紹介してくださいと言われたら、自分の名前を伝える
その後、いよいよテスト開始です。20秒間の黙読を行い、音読、パッセージについての質問と移っていきます。
テストが終わったら、問題カードを試験官に返却して退出します。部屋を出る際に試験官が、”Good bye. Have a nice day!”など声をかけてくれる場合がありますので、そのときは無言で退出せずに、”You too!”などと答えてください。テスト前後の試験官とのこうしたやり取りは、アティチュードの評価に影響するため注意しましょう。
スピーキングテストでは、家庭や学校以外にも職場や公共施設、アナウンスなどの場面や状況が取り上げられています。
質問についてもテクノロジーやビジネス、医療や自然環境など、学生であれば普段はなじみのない分野から問われますので、英語できちんと答えられるよう対策が必要です。
英検2級 スピーキングテストの問題例と対策
二次試験の面接ではどのような問題が出題されるか、公式サイトで公開されているサンプル問題をもとに解説していきます。
音読
20秒間の黙読のあとに音読を行います。緊張しているかもしれませんが、時間制限はないため、早口にならないよう落ち着いて音読しましょう。ゆっくり正しい発音を意識し、アクセントや抑揚にも気を付けてください。小さい声ではなく、ハッキリとした声で読むように心がけます。
パッセージについての質問
音読した内容に基づいた質問がなされるため、文章が理解できていれば、正解にたどり着くのは難しくありません。
質問はWhyもしくはHowから始まるため、英文の中から答えに当てはまる部分を探しましょう。Why~?の場合はBecause~で答え、How~?の場合は方法を表している箇所を探し、By~ingの形で答えるなどと、型を決めておくとわかりやすいです。サンプル問題では、Howから始まる質問が掲載されていました。
また、文章に含まれるitやthatなどの指示語をそのまま使ってしまうと減点されてしまうため、何を指しているかを確かめて言い換えるようにしてください。
イラストについての質問
与えられた3コマのイラストについて、セリフを参考に英語でストーリーを作っていきます。サンプル問題では、我が子を美術館の託児所に預けた、佐々木夫妻の行動や気持ちの変化についてのイラストが掲載されていました。
すべて自力で英文を作るのは難しいため、イラスト内のセリフを使って「誰が何をした」かを順番にまとめていきましょう。その際に、佐々木夫妻の心情の変化にも触れていきます。サンプル問題では、最後のコマで赤ちゃんのことを考えて不安になっている奥さんの様子を、”Mrs. Sasaki was worried that their baby might be crying.”と説明していました。
受験者自身の意見など
自分の意見を問われる問題は、カードのトピックに関連しない質問もなされるため難易度が高くなります。できる範囲で事前に対策をしておきましょう。
出題される問題は、ほとんどが社会的なトピックです。先述したように、テクノロジーやビジネス、医療や自然環境などに関連するボキャブラリーを英検対策問題集などを使いインプットしておきましょう。また、可能であればオンライン英会話や英会話学校などで、講師と実際に受け答えをする練習を積んでおくことをお勧めします。
答える際には、最初にYes/Noをハッキリさせ結論から述べてください。日本語とは違い、英語は結論から先に述べる言語だからです。サンプル問題でも、I agree.(賛成です)、I disagree.(反対です)から回答を始めています。その後、なぜ賛成なのか反対なのかについて、理由を述べていきましょう。
アティチュード対策も忘れずに
英検2級の二次試験では、アティチュード(態度)も3点分の配点があります。ここでいう「態度」とは、積極的にコミュニケーションを取ろうとする前向きな態度を指します。上手に話せなかったと思った場合でも、ここで確実に得点していきましょう。
具体的には、以下に注意してください。
・アイコンタクト→試験官の目を見て話すようにしてください。伏し目がちで相手の目を見ないで話すと、コミュニケーションを取りたくないと見なされます。
・無言にならない→試験官からHow are you?など挨拶をされた際にも、ひと言で良いので返答しましょう。着席を促されたり問題カードを渡されたりした際には、Thank you.とお礼を言うようにしてください。
・明るくハキハキした声で話す→ボソボソした声ではなく、ハッキリと話すように心がけましょう。ボソボソした声では、自信がなく聞こえてしまうからです。
もっと詳しくスピーキングテストの流れについて知りたい場合は、公式サイトで「英検バーチャル二次試験」という動画を提供していますので、ぜひチェックしてみてください。
結果はどのように表示されるのか?
英検2級スピーキングテストの評価は、素点をCSEスコアに変換したものが650点満点で表示されます。2級合格には、460点以上が必要です。
以前は素点だけで合否が決まっていたため、たとえば一次試験で極端にリスニングが苦手で0点だったとしても合格できていました。しかしCSEスコアが導入されて各技能にスコアが均等に配分されるようになったため、極端に点数が低い技能がある場合、全体のCSEスコアが大きく下がると言われています。
つまり、合格するためには各技能をバランスよく得点することが重要となりました。CSEスコアの導入により、より実践的な英語力を測定できるようになったと言えるでしょう。
まとめ
この記事では、英検2級のスピーキングテストについてご紹介してきました。
日頃の英語学習の成果を測るテストとして学生を中心に受験者が多い英検2級ですが、合格すると高校卒業程度の英語力があると見なされます。二次試験では社会性のある話題について、自分の意見を論理立てて話す必要がありますが、適切な対策を取っていけば合格する可能性が高まるため、しっかりと準備をしていきましょう。
この記事が、英検2級の合格を目指す方にとってお役に立てたら幸いです。