転職にも有利な英語力指標!PROGOSで自分のCEFRレベルを知ろう!

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「TOEICのスコアが700点・・・と言われても、実際に英語を使ってどんなことができるの?」

「これまでに培ってきた英語スキル、客観的な指標を使ってもっと具体的にアピールしたい」

このように感じたことはありませんか? 試験の点数だけを聞いても、その人が英語を用いて何ができるのかまでは分かりません。「実際に何ができるのか」が明確に分かれば、評価をする側とされる側、どちらにとっても大きな益となるでしょう。

ビジネスの現場において英語能力がますます求められるようになった今日、CEFR(セファールあるいはシーイーエフアール)と呼ばれる指標が注目されつつあります。外国語の運用能力を具体的かつ詳細に測ることができる、とても便利な指標です。

企業としては、各社員が英語を使って実際に何ができるのかを把握し、英語で行われるプロジェクトを効果的に進めることができます。就職あるいは転職活動をしている人にとっては、自分の英語力を具体的にアピールすることができる頼もしい指標です。

この記事では、CEFRが生まれた経緯やその特徴、またこの指標をビジネスの現場でどのように活用することができるのかについて解説します。

1 CEFRとは

CEFRとはCommon European Framework of Reference for languageの頭文字を取ったもので、「セファール」もしくは「シーイーエフアール」と読まれます。日本語では「(外国語の学習・教授・評価のための)ヨーロッパ言語共通参照枠」と訳されています。端的に言い表すならば、「外国語の運用能力を測るための指標」となるでしょうか。よりわかりやすく言うと、「外国語を用いて何ができるか」を詳しく示す指標ということです。

Europeanという名前から分かる通り、CEFRはもともとヨーロッパの欧州評議会(Council Europe)が主体となって作成したもので、2001年に初版が発表されました。その後、2018年には増補版(companion volume)も作成され、いくつかの変更が施されています。

CEFRがヨーロッパで作成された背景には、どのような事情があったのでしょうか。日本とは異なり、ヨーロッパでは多くの国と国が地続きで隣接しています。自国とは異なる言語と接する機会も多いというわけです。また、同一国内で複数の言語が話されているという国もあります。例えば、ベルギーではオランダ語、フランス語、ドイツ語の3言語が公用語として定められています。複数の言語を話す人々が暮らし、仕事を共にすることもあるヨーロッパだからこそ、外国語運用能力を計るための共通の指標が必要だったのです。

ここで重要なのは、CEFRによって測ることができるのは英語能力だけではない、ということです。ヨーロッパで作られたCEFRは、ヨーロッパの各言語能力――フランス語、ドイツ語、オランダ語、他多数――を測る指標として、幅広く用いられています。さらに今やヨーロッパの枠を超え、さまざまな地域の言語能力測定のためにも用いられています。日本でも、日本語コミュニケーション能力試験(JLCAT)がCEFRの評価方法を採用し、日本語能力の測定を試みています[1]。本記事では英語能力に絞って話を進めていきますが、英語以外の外国語能力を測ることもできる、ということを覚えておきましょう。

では、どのようにして評価するのでしょうか。CEFRでは6段階の評価基準が採用されています。以下の表の通りです

(出典:「各資格・検定試験とCEFRとの対照表(付属資料①)」文部科学省、2018年3月)。

このように、外国語運用能力をA1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階に区分したのが最初のCEFRでした。その後、2018年に作成された増補版ではPre-A1、A1、A2、A2+、B1、 B1+、B2、B2+、C1、C2、Above C2 の11段階の指標が採用され、運用能力をより細かく記述できるようになりました[2]

注目すべきは、最右列の能力記述文(Can Do Descriptors)と呼ばれる文章です。一読すれば分かる通り、ほとんど全ての文が「〜できる」という言葉で終わっています。すなわち、CEFRは「外国語を用いて何ができるか」を明確にしてくれる指標だということです。

ビジネスパーソンは、B2レベルが求められることが多いようです[3]。B2の能力記述文――英語を用いて何ができるかを見てみましょう。

・自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。

・母語話者とは多大に緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。

・幅広い話題について明確で詳細な文章を作ることができる。

ビジネスで通用するCEFRレベルについては、次のセクションでより詳しく説明します。

では、このCEFRは日本でどのように活用されているのでしょうか。分かりやすい例としては、大学入学試験(おもに私立)の出願資格として用いられているという事例が挙げられます。例えば、関西学院大学の総合選抜入学試験では、文系学部出願には「B1レベル以上」の能力、理系学部出願には「A2レベル以上」の能力がなければ、出願資格を得ることができません[4]。CEFRがもともと外国語学習/外国語教授のために開発された(副題として“Learning, teaching, assessment”という名がつけられています)ことを考えると、まず教育機関で採用されるのは自然なことでしょう。ビジネスの世界でも、社員の英語力を評価するための基準として、これからますます用いられていくことが予想されます[5]

2 ビジネスで通用するCEFRレベルとは

ビジネスパーソンの英語能力を測るために、これまでさまざまな指標が採用されてきました。有名どころでいえば、TOEICやTOEFLなどが挙げられるでしょう。これらの英語能力測定試験とは異なり、CEFRそのものは試験ではありません。「TOEICやTOEFLなどで得た点数を、CEFRの段階評価によって表示する」ということになります。各英語試験の点数をCEFRの6段階評価に変換した表が文部科学省によって作成されているので見てみましょう。

最左列がCEFRの6段階評価、それより右が各英語試験の級数や点数となっています。最右列とその左隣がそれぞれTOEIC、TOEFLの点数です。「TOEFL iBTで72点〜94点を取れば、CEFRでいうところのB2レベルの英語能力がある」ということになります。英検であれIELTSであれ、TOEFLであれTOEICであれ、試験で得た点数を共通のレベルに変換できる、というところにCEFRの強みがあると言えるでしょう。バラバラの英語試験を受けた人たちの英語能力を共通の指標で示すことができる、互いに確かめ合うことができるということです。このような便利さからCEFRは、外国語能力を測る国際的な基準となりつつあります。

さて、先にも述べた通り、ビジネスパーソンにはB2レベルの英語能力が求められています。ここで再び、B2レベルの人にはどのようなことができるのか、見てみましょう。文部科学省が一般に翻訳・公開している資料から引用します。比較対象として、B2レベルの一つ下のB1レベルの記述文も載せておきましょう。

B2自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について明確で詳細な文章を作ることができる。
B1仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。

ここに挙げた記述文は大雑把なものですが、CEFRが優れているのは、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングなど、技能ごとの能力記述文を記してくれているという点です。すなわち、「リーディングはB2だけど、スピーキングはB1」などのように、技能ごとに「何ができて、何ができないか」を明確にしてくれるということです。では、B2の各技能の詳しい能力記述文を見てみましょう[6]

B2

理解リスニングある程度なじみのあるテーマであれば、長い話や講義を理解し、また複雑な議論にもついていくことができる。ほとんどのテレビニュースや時事問題を理解することができる。標準語で話されているものであれば、大多数の映画を理解することができる。
理解リーディング現代の問題に関して特定の意見や立場から記された記事や報告書を理解することができる。現代語で書かれた文学的な散文を理解することができる。
スピーキング双方向的な
スピーキング
ある程度流暢かつ自然に、母語話者と通常のやりとりを行うことができる。なじみのある文脈であれば、議論に積極的に参加し、自分の意見を説明また立証することができる。
スピーキング一方向的な
スピーキング
自分の関心分野に関わる幅広いテーマに関して、明確かつ詳細な説明を行うことができる。話題となっている問題に関して、多様な選択肢のメリットとデメリットを挙げながら、一つの立場について説明することができる。

この特徴は、CEFRをビジネスの現場で用いることの積極的な理由となります。

まず、英語を用いたプロジェクトにおいて、メンバーの英語能力を詳しく把握することができるからです。例えば、「スピーキングは苦手ですが、リーディングは得意です。外部資料を読むのは任せてください」というメンバーにはリーディングの仕事を任せ、「リスニングとスピーキングでできることはたくさんあります」というメンバーには通訳を任せるというように、タスクの割り振りがしやすくなるのです。また、自分に欠けているスキルを明確に把握することができるのも、魅力的な点です。スキルアップのために何をすべきかが詳しく分かり、勉強を効率的に進めることができるでしょう。

3 PROGOSでビジネス英語力を知ろう

PROGOSはCEFRに基づいた採点評価を行う英語スピーキングテストです。インタビューやプレゼンテーション、ロールプレイなど、ビジネスの現場で必要となる英語力を測ることができます。「表現の幅」「正確さ」「流暢さ」「やりとり」「一貫性」「音韻」の6項目が、それぞれCEFRの基準によって評価されます。「表現の幅/流暢さ/やりとり/一貫性/音韻がB1で、正確さがA2」というようにです。自分に何ができていて、何ができないか。詳細なフィードバックを受けられるため、スキルアップのためにどのような学習をすべきかを明確にすることができます。またCEFRの段階評価が採用されていることで、「自分は具体的に何ができるか」を可能な限り客観的に示すことができ、就職や転職の際にも便利です。ぜひPROGOSを受験して、さらなる英語のスキルアップに挑戦してみてください!


[1] 日本語試験と英語試験のCEFR軸比較表(日本語コミュニケーション能力試験) https://jlcat.org/comparison_cefr.html 最終閲覧日2021年11月14日

[2] Common European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment Companion Volume with New Discriptorhttps://rm.coe.int/cefr-companion-volume-with-new-descriptors-2018/1680787989 最終閲覧日2021年11月14日

[3] CEFRについて(PROGOS) https://progos.ai/cefr.html 最終閲覧日2021年11月14日

[4] 関西学院大学総合選抜入学試験要項 2022年度 https://www.kwansei.ac.jp/cms/kwansei_admissions/pdf/2021/kakushu/sougou/総合選抜入学試験要項2022.pdf 最終閲覧日2021年11月14日

[5] 米国IT企業の本社で働きたい!どれぐらいの英語力が必要?(日経ビジネス) https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00265/100600026/ 最終閲覧日2021年11月14日

[6] Council of Europe (2001) Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment. Cambridge University Press., pp.26-27(翻訳は執筆者による)

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