「社員を海外出張させたいのだけれど、英語力がどのくらいあるのかよくわからない。本当に出張させても大丈夫だろうか?」
このように感じたことはありませんか?英語の資格試験で良いスコアを取得しているのと、実際に英語が話せるかどうかは別問題だと言われています。
アルク社が実施しているTSSTというスピーキングテストは、24時間電話での受験が可能です。特定の分野に限らず多くのジャンルから出題されるため、純粋な英語運用能力を測定することができます。
また、受験後に返却される結果シートには、レベルだけではなく意識すべきことについてのコメントや、英語力をアップさせるために必要なトレーニング方法が記載されており役立ちます。
この記事では、TSSTの概要やテストの構成、結果判定方法などについてお伝えしていきます。
TSSTスピーキングとは?
TSSTとは、英語教育事業を行っているアルク社が実施しているスピーキング力を測るテストです。個人、法人とも受験が可能ですが、法人を中心に年間約1万人が受験しています。
24時間どこからでも電話で受験が可能なため、会場手配や受験者のスケジュール調整が不要です。そのため法人での実施が多く、社内研修の効果測定や海外赴任選抜などに利用されています。
電話越しに質問を聞いたらすぐに回答する必要があるため、自分の考えを瞬時に伝える能力が必要です。実際の会話でも考える時間が十分にないまま話し出すため、とても実践的なテストと言えるでしょう。
TSSTではスピーキング力を正確に測るために、ビジネスや趣味などさまざまな話題について10個の質問がなされます。そのため、特定の分野に知識があるかどうかで試験結果に差が出ることはありません。あらゆる話題について、その場で英語をどれだけ適切に使えるかが問われるのです。
試験結果は、9段階評価と100~995点のスコア表記の2パターンで行われます。評価項目別にできていることと今後の課題、学習方法が提示されるため、受験後にどうやって英語力を伸ばしていったら良いかが分かるのも特徴です。
TSSTのテスト概要
それでは、TSSTスピーキングテストの概要を見ていきましょう。
下の一覧表をご覧ください。
受験資格 | 特になし |
料金 | 法人:税込7700円 |
個人:税込8800円 | |
受験可能時間 | 24時間いつでも※詳しい実施スケジュールはこちら |
受験時間 | 約15分間 |
結果返却 | 受験期間終了後、約10日後 |
使用可能デバイス | 電話 |
出題内容 | ビジネスや日常生活など多様なテーマに関する質問(10題) |
採点方法 | 試験官3名による採点 |
評価方法 | ・評価 Level 1 (初級) ~ Level 9 (上級) までの9段階・100~995点のスコア(5点刻み) |
上記の一覧表を見て頂くと分かるように、TSSTの大きな特徴は「24時間いつでも」「どの場所からも」受験が可能で、全問が自由発話形式であることが挙げられます。多様なテーマに関して英語で回答するため、純粋な口頭運用能力が計測できます。
TSSTスピーキングテストの問題構成
それでは、TSSTの出題形式や構成について説明していきます。
内容 | 問題数 | 回答時間 |
一問一答形式 | 10問 | 各45秒 |
TSSTは、他社の多くのスピーキングテストとは異なり、問題構成がとてもシンプルです。質問を聞いたらすぐに英語で回答します(45秒間)。
多くのスピーキングテストでは考えをまとめる時間が与えられますが、TSSTでは問題を聞き終えたらすぐに回答しなくてはなりません。
問題は難易度別にグループ分けされており、コンピューターが自動的に抽出します。リスニング力に左右されないよう、設問は日本語と英語の両方で読み上げられます。
TSSTスピーキングテストの問題例と対策
TSSTでは、以下のように多ジャンルから出題されます。
説明する問題
・あなたの趣味について話してください
・あなたの大切な人について話してください
・あなたは週末どのように過ごしますか
・あなたの住んでいるエリアについて話してください
意見を述べる問題
・家に友人を招くのは好きですか?それはなぜですか?
・スポーツ観戦は、テレビと生とどちらが好きですか?それはなぜですか?
・英語以外の言語を学ぶとしたら、何語を学びたいですか?それはなぜですか?
・出張に行くのは好きですか?それはなぜですか?
問題への対応について述べる問題
・友人と意見が食い違い、険悪なムードになりそうです。あなたはどう対応しますか?
・待ち合わせをしている友人が現れず、連絡もつかない場合、あなたはどう対応しますか?
・友人が「近所の人がうるさくて困っている、どうしたら良いと思う?」と聞いてきました。あなたはどう答えますか?
もっと詳しく出題内容などについて知りたい場合は、公式サイトにサンプル問題が掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。
TSSTスピーキングテストの対策
TSSTでは多くの問題が用意されているため、答えやすい問題もあれば、考えたこともないようなことを聞かれる可能性もあります。
考えをまとめる時間が与えられないまま45秒間話し続けるため、高度な回答が求められているわけではありません。
実際に相手と話をする際に、関係ない話をしたり、何も話さずに黙り込んでしまったりするのは失礼だということは想像がつくでしょう。可能な限り、質問に対して詳しく、わかりやすく答えることができればベストです。45秒間で話し切ることができなくても構いません。具体例を使うなどして、相手に理解してもらえるように意識して話してみてください。
日常でできるTSSTの対策
実際にどのような問題が出題されるかは、スピーキングテストを受験するまでわかりません。日常的にできる対策としては、趣味や家族、仕事など自己紹介の際にも必要になる内容については、英語で話をできるようにしておきましょう。
また、使える英文を増やしていくことが大切です。具体的には、瞬間英作文などの練習をしていきましょう。瞬間英作文では、簡単な文型の英文をスピーディーに発話していきます。
日本語をいちいち英語に置き換えるのではなく、頭の中でイメージして英語を英語のまま話す練習を積み重ねていくことで、サッと英語が口から出てくるようになるので、ぜひ実践してください。
そして、オンライン英会話などを利用し、英語を話す機会を作りましょう。TSSTでは目の前に相手がいると仮定して、その相手が理解できるよう具体的に話をすることが高得点につながります。瞬間英作文の練習も大事ですが、ぜひ実際に英語を話すようにしていってください。
結果はどのように表示されるのか?
TSSTでは、その場で瞬時に話し伝える能力を、以下の4つの基準により総合評価しています。
言語機能 | 理由や意見を述べる、問題解決のために提案する、手順を説明する、苦情を言うなど |
話題および場面 | 聞かれている内容について話ができているか |
テキストタイプ | 話の流れがわかりやすいか、単語やフレーズはどのようなものを使っているか、短い文章か長い文章かなど |
正確さ | 文法、語彙、発音、流暢さなど |
受験者には、以下のような結果シートが返却されます。結果だけではなく、学習アドバイスが記されているのも特徴です。
このほか、評価項目別にできていることや意識すべきことについてのコメントや、弱点に合わせた効果的なトレーニング方法(音読やオーバーラッピング、1分間スピーキングなど)が提示されます。
レベルは1〜3(初級)、4〜8(中級)、9(上級)の9段階で表示され、レベル4以上が英語を使った国内業務の目安、レベル5以上が海外出張の目安、レベル6以上が海外赴任の目安です。
詳しいレベル概要については、公式ホームページに説明およびサンプル音声がありますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
この記事では、アルク社が実施している英語スピーキング能力を測るテスト、TSSTについてご紹介してきました。
電話で24時間どこからでも受験でき、あらゆるジャンルについての英語運用能力を測定します。日頃の英語学習の成果をチェックするのにもとても有用と言えるでしょう。
また、企業でも採用や研修などで利用することで、就職希望者や社員の英語スピーキング力を的確に判断することができるようになります。
この記事が、TSSTに興味のある方にとってお役に立てたら幸いです。